1月30日 防衛省に対する申し入れ

1月30日の市ヶ谷の防衛省での緊急行動の際の、わたしたちの抗議申し入れ文です。今後も定期的に情勢を反映しながら抗議を続けていきます。みなさんも、思いをつづって防衛省に対して声をあげてみませんか?

内閣総理大臣 野田佳彦
防衛大臣 田中直紀
                                                         2012年1月30日

  普天間基地辺野古移転に対してあがっている反対の声、高江での米軍ヘリパッド建設強行に反対する声、与那国島への自衛隊配備に反対する声。沖縄全島の怒りと抵抗の意思表示は、大臣の執務室や官邸には届いていないのでしょうか。それとも、あなたがたは、意図的に無視しているのでしょうか。
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  今月21日、沖縄から議員や市民団体の代表など24人からなる代表団がアメリカへ向けて出発し、連邦議会や省庁など、じつに61もの機関への要請行動を行 いました。また、市民運動など様々な場所でも基地に苦しむ沖縄の反対の声を直接届けました。ワシントンポストへの意見広告掲載とも相まって多くの人に基地 問題を知らせ、以前から沖縄への基地建設に反対してきた米与党内の勢力から「オバマに基地撤廃を進言すべき」という声が上がるなど成果を収めています。また、沖縄の皆さんが自らを代表することは非常に大きな意味があります。つまり、沖縄は既に日本政府にもう期待していないし、日本政府が沖縄の意思を勝手に代表することを許さないという意思表示だからです。

 これまでも日本政府は一貫して、沖縄の痛みを少しも理解しようとせず、基地を押し付 けることばかりに意を用いてきました。昨年からはその姿勢がいよいよ露になっています。田中前沖縄防衛局長による辺野古基地建設をレイプになぞらえた発言。年末の普天間基地移設の環境影響評価書のまるで不法投棄まがいの提出。年が明けからの田中防衛大臣自らの「年内着工」発言。加えて、度重なる防衛大臣の問題発言にも明らかなように、現政権の閣僚がきわめて沖縄の歴史、沖縄の痛みを知ろうとせず、軽視していることもまた、沖縄の怒りをいっそう煽り立てていることでしょう。

 極めつけは、野田首相の「日本政府もアメリカ政府も沖縄で血が流れることを望まない」「だから辺野古の基地建設は強行しない」という発言。しかし、そう言いながら政府には基地建設の動きは一向に止める意思がないのですから「基地建設に同意しなかったら血が流れるぞ」という脅迫にしかなっていません。政府のトップがこのような発言をすることは、基地の押し付けの動きを、その不当性の上にあぐらをかいたまま進めようとしていることに他なりません。

 そして、今もなお、高江では住民の対話を求める声を無視して、米軍ヘリパッド建設工事が続いています。90デジベルをも超える、基地の滑走路なみの騒音で作業員が住民を恫喝する声を浴びせ続けています。辺野古についてはアセスの撤回・見直しを求めて600人以上が原告になって訴訟を起こしていますが、それを無視するかのように沖縄県知事の意見表明に不当に制限をかけようとしています。

 こうした沖縄の民意や痛みの無視、日本のエゴによる基地の押し付けの連続こそが訪米団を実現させたことを、わたしたちは直視しなければなりません。沖縄が自らを代表し、国家という枠組みを飛び越えてアメリカに訴えかけることは、極めて異常な事態として国際社会には 受け取られているであろうことは想像できます。そして、日本の暴力による沖縄支配を暴露し、その原因を作っているわたしたちに対して、厳しく問い返す沖縄の視線を感じずにはいられません。

 以上の認識に立ったうえで、沖縄での基地建設の即時停止を求め、改めて、以下、申し入れます。

1. 辺野古への基地移転建設の撤回、普天間基地の撤廃、加えて基地の跡地を軍事施設に転用しないことを宜野湾市民に対して確約すること
2. 高江への米軍ヘリパッド建設工事を中止し、建設計画を撤回すること。ヘリパッド建設工事の力づくの強行についての高江住民への謝罪・補償、ならびに住民を相手取った訴訟の取り下げ
3. 与那国島ふくめ、南西諸島に対する自衛隊の配備計画一切の撤回

2012年1月30日
沖縄を踏みにじるな! 緊急アクション実行委員会