入管法等改悪をやめろ、関心の高まりを!

福岡在特権反対デモの呼びかけにもあったように、外国人排斥ムーブメントを政治の面からさせているのはコレ。どうすれば世論を盛り上げられるだろう・・・。

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在留カード異議あり!」NGO実行委員会

入管法・入管特例法・住基法の成立に対する抗議声明

2009.7.8

本日、出入国管理及び難民認定法入管法)、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)、住民基本台帳法(住基法)の改定案が、参議院で可決された。本法(政府案および一部修正案)が成立したことによって公布日から3年以内に、外国人登録制度に代わる「新たな在留管理制度」「外国人住民票制度」が導入される。すなわち、これまでの外国人登録証明書外登証)が廃止され、短期滞在者や特別永住者を除く中長期在留者に対して、法務省がICチップ付きの「在留カード」を交付し常時携帯を義務づけるとともに、市町村は「新たな在留管理制度」に連結させられた住民台帳制度の下で、中長期在留者と特別永住者を対象とする「外国人住民票」を作成することになる。
外国籍住民の権利保障を求め共生社会を目指してきた私たちNGOは、これらの改定法が成立したこと、およびその審議過程に対して抗議の意を表明する。「新たな在留管理制度」と「外国人住民票制度」は、密接に連動している。在留カードを持たない難民申請者を含む非正規滞在者は、実際に地域社会で暮らし、働き、子どもを育てているにもかかわらず、住民基本台帳から除外される。そのため彼ら彼女らは、暮らしと生存を支える各種の行政サービスを享受することができず、まるで地域に存在しないかのように扱われる危険がある。私たちは、地域住民の福祉と人権を保障すべき自治体の機能が在留管理制度に従属させられることについて、強い懸念を表明する。
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また「新たな在留管理制度」は、脆弱な生活基盤と雇用形態にある外国籍住民の実態を踏まえず、刑事罰在留資格取消しという威嚇によって、住居地・身分事項・所属機関の変更届出義務を課し、さらに在留カードの常時携帯義務を課している。このことは、「利便性の向上」を立法目的に謳いな
がら、実際にはより重い負担を外国籍住民に強いることになる
入管特例法では、在日コリアンなど特別永住者に対して特別永住者証明書が交付されるが、衆議院
の修正でその常時携帯義務は外された。しかし、国連の自由権規約委員会が再三勧告している永住者
等の常時携帯義務の廃止は、いまだ実現していない
かつて1950年代、60年代、70年代において、外登証不携帯として送致された在日コリアンは年間3200人に上った。それと同様に、改定入管法の下で在留カードの常時携帯制度は、外国籍住民の日常生活
を規制するものとして猛威をふるうことになるだろう。
今回の改定入管法は、非正規滞在者など特定の集団を日本社会から完全に「見えない存在」にする一方、在留資格を有する外国籍住民についてはその個人情報を継続的かつ一元的に収集して管理・監視を強化するシステムを構築する。さらにそれは、法務省による個人情報の集中化とデータマッチング、他の行政機関との情報照会・提供を可能にするものである。これは外国籍住民を先鞭として、ひ
いては日本国籍者を含む全社会の「監視社会化」を推し進めるものである
そしてもう一方、労働力補充の「入口」として、労働者の普遍的権利あるいは基本的人権さえをも制限した使い勝手のいい労働者を受け入れるシステムとして固定化する「外国人研修.技能実習制度」の改定を行なったのである。
このように、215万人を超える外国籍住民の生活と労働、個人情報のあり方に多大な影響を及ぼす危険があることから、外国籍当事者や支援団体、人権NGOは早くからこの改定案の問題点を指摘し、廃案を求めてきた。それにもかかわらず、政府は外国籍住民から広く意見を聴取する場を設けることも、また法案を多言語化して周知することもしなかった。また国会審議においても、同様である。ましてや、選挙権を持たないこの社会の構成員に関わる法案に対して、国会はその役割・責任をより重く受
け止め、審議を尽くすべきであったにもかかわらず、法案成立を急いだ。これでは、「民主主義」と
はとうてい言えない。
以上のことから、私たちNGOは、本日の「改定」入管法・入管特例法・住基法の成立に対して、強く抗議する。
私たちは、外国籍住民の管理と監視を強化する法制度から、権利保障と共生を目指した法制度への転換を、今後も求め続けていく。そして、よりよい多民族.多文化共生社会をめざしていく。かつて1952年、指紋制度を含む外国人登録法が公布されたとき、在日コリアンを中心とする反対運動によって指紋制度の実施が二度、三度と延期された。私たちはそのことを想起しながら、3年後の「改悪法」実施に対して、国連で、国会で、地方自治体において、世界各地、日本各地のNGOと連携しながら、闘い続けていくだろう。

2009年7月8日
在留カード異議あり!」NGO実行委員会

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在日コリアン青年連合(KEY)

入管法」・「入管特例法」・「住基法」改定案の成立に強く抗議する

去る7月8日、在日外国人を対象とした新たな在留管理制度を導入するための「出入国管理及び難民認定法」(入管法)及び、「日本との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」(入管特例法)、「住民基本台帳法」の改定案が参院本会議で可決され、成立した。われわれはこの間、外国籍者に過剰な義務を課すこの法改定に対して当事者として一貫して反対してきたが、結局管理強化という根本は変わらずに法案が成立したことに大きな憤りをもって抗議する。さらに、外国人施策の大きな転換を意味する大変重要なこの法案について、成立に危機感を抱く外国人当事者、マイノリティや外国籍の人権保障を求める市民・NGOの度重なる訴えにも関わらず、国会における審議は全く不十分且つ、外国籍者の意見聴取の場はおろか、情報提供すら十分になされなかった。また今回の法案が衆参両院で可決された際に、施行において格段の配慮をすべきとする附帯決議が10項目以上もついた。このことは、この法案に外国人の人権を侵害する重大な危険性があることを立法府自体が認めていることの証左だろう。このようなずさんな法案が性急に成立に至ったことにあらためて強く抗議する。

法改定の理由の一つとして挙げられている「外国人の利便性を向上させる」との説明は全く本質ではない。日本に在留する外国人のあらゆる個人情報が入管行政に一元化され、地方自治における住民
サービスのための基礎的な制度も入管体制に従属させることで、政府当局がいっそう容易に外国人を
オペレーションできるようにすることが核心なのである。外国人登録法(外登法)は廃止となること
がメディアで報じられているが、外登法が持つ差別的な在留管理機能がなくなるわけでは決してなく く、逆に管理機能が強化される形で入管法に移行されるだけである。
この新たな在留管理制度は、在日外国人の居住実態や生活実態に対する想像力を欠いており、そこに投影される外国人像は、ともに暮らす生活者・隣人ではなく、あくまでも管理・監視・排除の対象でしかない。そこには権利主体としての外国人という視点は皆無である。したがって今回の法改定が、今後外国人に対する新たな蔑視感と敵対感情を生み出し、社会的偏見を助長させる制度として機能するのではないかと、われわれは強い憂慮を示さざるを得ない。

今回の法改定により、在日コリアンがほとんどを占める特別永住者に交付される「特別永住者証明書」の常時携帯義務が廃止され、また新たに「みなし再入国許可」制度が導入された。しかしながらこれを一定の前進だとする言説にわれわれは与しない。「良い」外国人、「悪い」外国人を選別・階層化する、外国人の分断管理が進められようとする中で、すべての外国人が居住する地域でその一員として生きていくことができる多民族多文化共生社会をどのように紡ぎだしていくのか、われわれ自身がよって立つポジションがまさに問われているからである。また実際に「みなし再入国許可」については、朝鮮籍を持つ在日コリアンをあからさまに排除したという重大な問題があり、在日コリアン社会内部にもまた、制度上の分断が持ち込まれようとしているのである。

在日コリアンにとっての戦後はいわば入管法・外登法との闘いの歴史であった。一部のひとびとへの管理・監視が正当化され、過重な義務が課される一方で、本来的に認められるべき権利がないがしろにされる非対称な構造は、対岸の火事であると見なしている側にもいずれじわじわと波及してくるだろう。あらゆるひとびとの人権が尊重され、差別が許されない真の多民族多文化共生社会の実現を求めて、われわれは今後も努力を続けていく。

2009年7月10日
在日コリアン青年連合(KEY)

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「在日外国人の在留管理強化を許さない青年学生集会」実行委員会

外国人管理強化のための改定法案可決に対する抗議声明

去る7月8日、出入国管理及び難民認定法入管法)、日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(入管特例法)、住民基本台帳法(住基法)の改定案が、参
議院で可決され、成立した。

今回の法改定によって「新たな在留管理制度」「外国人住民票制度」が導入される。すでに多方面から指摘されているように、この二つの制度は互いに密接に連結しながら、法務省と関係機関の情報共有によって、さまざまな理由から日本に居住する隣人としての在日外国人を、常に「不法滞在者予備軍」として監視、管理できるようにするものである。また刑事罰在留資格取消しという措置の規定は、日本で生きる権利に対する威嚇としか考えられないものである。その意味で今回成立した諸法律は、外国人の生活権、生存権、人権を無視した極めて悪質な改悪法であるとわれわれは考える。

将来の日本は、今日よりさらに「多民族社会」となっていくであろう。日本政府は、真の意味で「開かれた日本」を目指すのであれば、外国人の権利の制限ではなく確実なる保障2目指すべきである。外国人管理を強化する今回の関係諸法の成立は、真に充実した「多民族社会」の形成に真っ向から対立するものになるだろう。外国人の日本での生活権、生存権、人権の保障という基盤に立った「多民族社会」を目指し、排外主義と植民地主義に反対するわれわれは、今回の諸法律成立に対し、強く抗議の意を表する。

2009年7月10日
「在日外国人の在留管理強化を許さない青年学生集会」実行委員会