フランスの「Zoom Japon」のインタビューにメールで答えました

フランスのパリで発行している週間誌クーリエ・アンテルナショナルの、新創刊される月刊誌Zoom Japon(ズーム・ジャポン,www.zoomjapon.info)から反原発について自分が思う事をインタビューの申し込みがあり、メールで答えました!
あと仏の日刊紙「ル・モンド」にも東電前アクションは出てたようで、「抗議活動の少ない日本でも、人は集まっている!」という内容だったそうです★

1:福島原発事故で政府や電力会社の責任だと思われますか。

政府・電力会社の責任です。日本の原子力産業は「国策」でした。彼らは原発の危険性を訴える専門家や市民団体の
声を一切聞かずに「原発地震に耐えられる」と建設し続けてきました。そして福島原発事故後も「想定外だった」とあたかも反対意見が無かったかのように振舞い、対策を遅らせ、多くの人命を危機にさらしています。それは自らの責任を認めたくないから、原発による利権を手放したくないからです。

2:日本のメディアは政府の情報を信用し過ぎると海外メディアは書きました。園良太さんの印象をお聞かせください。

日本のテレビや新聞は権力や資本と癒着しており、正しい批判をすることができません。マスメディアのみが所属できる「記者クラブ制度」の中で、政府に甘いことを書かないと情報を得られなくなっています。また志より成績のみ優秀な人々が入社することが多いため、鋭い批判意識を持って政府にぶつけることがなかなかできませんし、原発についての正しい知識を持つ事も難しいです。そして新聞・テレビは海外メディアに比べあまりに多くの読者・視聴者を相手にしているため、独自の意見より政府発表の垂れ流し報道という安全な選択肢を選びがちです。

3:今回の福島原発事故によって原子力発電に対する国民の不信感が高まっています。ドイツが掲げたような既存の原発を順次フェーズアウトする脱原発政策は可能であると思われますか。

可能です。日本の各電力会社は2003〜04年ごろに一度全ての原発を停止して定期点検をした事がありましたが、その際も電力は止まりませんでした。火力発電所などでまかなう事ができますし、多少消費電力に制限が出たとしても生活できなくなるレベルではありません。また太陽光発電などの自然エネルギーの開発も日本は進んでいます。原発利権のある政界と産業界がそれを進めないだけであり、そうした人々を表舞台から一掃することが必要です。


4:福島原発の事故は日本人が原発に対して、ゼロベースの議論を開始するきっかけを作ったでしょうか。園良太さんはどう思われますか。

原発事故は何十年も前から日本各地で多発していました。しかしマスコミがきちんと報道せず、政府と電力会社も事故を必死に隠すため、自分を含めて多くの人々はその危険性を認識できていませんでした。しかし今、国内最大の原発事故が起きた事で、放射性物質の恐怖が日常的になりました。余震が来るたびに原発事故の再発を恐れるようになりました。もう隠す事も忘れる事もできません。責任者は誰か。被害者にどう補償すべきか。そして原発を無くすべきか。
この国は民衆一人ひとりが政治問題の構造を見つめて変革することを苦手としていますが、今こそそれをやるべき時だと思います。


5:日本の反原発運動はこれからどうなると思われますか。

街頭デモは東京で最大一万人以上になりましたが、これからもどんどん参加者が増えて行きます。それが政府や東電と責任者に責任を取らせ、エネルギー政策を転換させるまでに大きくなってほしいです。海外に原発を売りつける事も許されませんし、海外の反原発運動ともつながりを強めたいです。また戦争や核兵器に反対する運動や、米軍基地に反対する運動など、隣接する他の問題に対する社会運動とも大きな議論や共同行動を起こし、より多くの人と問題意識を深め、社会を変える主役としてともに動いて行けるようにしたいです。