「全ては変えられる」と言い切ろう!パリ・ⅭOP21への闘いに参加して―

<衝撃とデモ禁止令を乗り越えて>

11月30日から始まったパリの「ⅭOP21」対抗行動に、「核と被ばくを無くす世界社会フォーラム2016日本」に参加してきた。地球温暖化対策を決める国際会議で、今回は世界195ヵ国とEU代表団が集まる大規模で、抗議も世界中からの参加者

16年3月23日から27日まで、反原発に取り組む世界中の人々東京で集会し福島へ行く。またⅭOPで日本が「福島事故は終わった、温暖化対策に原発が有効だ」と各国に秘密裏に売り込む事が予測されたため反対する目的。仏の「テロ」後、環境大臣だけ参加の日本政府は安倍晋三自身が突如参加を決めた

安倍の目的は、ⅭOP21やオランドとの首脳会談で対テロ戦争への協力・参加を確認し、非常事態宣言下の弾圧を日本の参考にする事であるのは明らかだ
一方私達の側は混乱した。現地パリの11月29日の開幕民衆デモは政府に中止に追い込まれ、他の街頭集会やデモも全く見通しが立たなくなったからだ

だが安倍を始め権力者が自由に行動し、市民側が動けなくなる事はどう考えてもおかしい。まさに権力者によるテロと恐怖心の悪用だ。また米英仏の中東支配や仏の空爆による犠牲い日本も加担しようとしており、そして大企業の資源開発こそ地球環境を破壊しており、今こそ現地で声を上げねばと参加を決めた

反核WSFの実行委から、現地の報告がされている。ぜひ見て、来年3月のWSF参加を「デモ暴徒化じゃない!悪いのはオランドとデモ禁止令だ!」
http://www.labornetjp.org/news/2015/1130pari
http://www.labornetjp.org/news/2015/1205pari

<モントレイユ市で対抗市民サミット、福島原発事故の集会を開く>
パリのⅭOP21対抗行動、5、6日は対抗市民サミットが開かれ、3万人も参加した。ここは左翼が強い街で、市が駅前広場や歩道を丸ごと貸し出した。地方自治があれば国家政策も跳ね返せる
私達も福島原発事故と政府の隠ぺいを写真に出して出展した

次々人が訪れ、事故への関心の高さと情報の少なさを実感した。両日とも集会を行い、脱原発の現実性や福島の線量の高さについて質問が集中した
より多くのエネルギーを必要とする近代経済と国家を根底から見直さねばらない事を話し合った

私達は、日本政府が住民に放射能を受け入れよと仕向けており、日仏はともに原発大国、武器や核の共同製造を進め共同軍事作を狙っており、これを国際連帯で打開したいと答え、反核WSFへの参加を訴えた。
対抗サミットは気候変動に苦しめられる世界中の人々が発言・出展し、世界の縮図の様相を呈した

仏最大の銀行「BNPパリバ」本社などから169個の椅子を奪い取り責任者を名指しする行動が行われた
対抗集会では「169の椅子サミット」が開かれ、人々が椅子に座って「銀行が持っていた椅子が人民のものになった」と宣言、議論した。独創的だ






<12月11日、12日、世界民衆のパワー爆発>

12月7日から11日まで、パリ市北東部の大きな劇場「104」でⅭ0P21対抗集会「ZAⅭ」が連日開かれた。ナオミ・クラインは「仏政府は、人々の恐怖や悲しみを利用して彼等を家に閉じ込めている。12月12日、路上に戻りましょう!」と発言

「ZAⅭ」は様々な運動の連合体で、先住民の怒りから催涙ガス対策の講習まで世界民衆が多数のワークショップを開き、夜は毎日のⅭ0P21の報告と批判の全体集会がなされた。日々明らかに熱気が高まっていた
29日の大弾圧を受け、12月12日の最終デモが日々模索され、9日夜に概要が発表された

圧巻は11日午後の全体集会で、12時からの場所が凱旋門前と発表されてからだ。その場には千人以上もの人おり、地べたに座って全体討論した
主催者が非合法行動のためどうやり抜くかや、弾圧された時の警察対応や救援電話番号を説明し、参加者が次々前に出て質問していた
日本では考えられない事だ

12日は世界民衆のパワー爆発。朝の人文字はパリ各所で成功、様子をネットにUPした。12時前、気候変動や戦争で殺されてきた人々の血を表す赤いものを身に着けた人々が、凱旋門の西側(シャンゼリゼ通りの逆側)の約1キロもの車道を埋めていった

そして何百Ⅿもの赤い布を道全体に広げ、「環境破壊企業と国家を立ち入り禁止にするライン」を作り、地面に布を敷いて気候の犠牲者を追悼する赤い花を置いて行った
人々は次々集会やデモやライブを始め、私達反核WSFの実行委も「フクシマを忘れるな、原発核兵器もない世界は可能だ」横断幕でデモ

巨大な風船に赤い線を引いたものを地面に置き、ボンボン飛ばしていく。地面にペンやスプレーでメッセージを書きまくる。あらゆる表現行動が自主規制無く炸裂していた。警察は車道やわき道を封鎖するも、パリの真ん中を埋めた集会には全く手出しできず

エッフェル塔では人間の鎖が始まり、塔の外周を人が埋めて手をつなぎ、世界中の観光客にも訴えた。凱旋門からの人々はデモ状態で行き、塔の足元の車道に座り込んだり、赤い布を一気に広げて次々デモや集会始めた
規制を超えた仏と世界中から集まった民衆のエネルギーが連帯した事で成し遂げたのだった

<どうするか――「世界は変えられる」と言い切ろう!>

パリの闘い見て、日本の私達に足りないものは何か。ⅭOP21対抗運動中に大活躍だったナオミ・クラインの新著は『THIS CHANGES EVERYTHING 資本主義vs気候変動』。人々のデモコールは「気候ではなくシステムを変えろ!」「私達は止まらない!もう一つの世界は可能だ!」だ

彼らは「私達は世界を変えられる」「世界中の権力者を倒そう」「資本主義は無くせる」と言い、日本の私達は「日本は変えられる」「安倍晋三を倒そう」「よりマシな資本主義は可能だ」としか言わない。彼らの地球規模の課題設定と勇気に比べ、視野の狭さと、限界を自ら設定する心理こそが、私達の問題だ

戦争法案を止めきれなかったのも原発被害が隠されているのもこの縛りが原因で、権力者がそれを熟知しており利用するからだ
パリは世界中からの移民がおり、世界中の課題が集まり、特に中東の激動が直接影響する。だが日本は日本人中心の閉じた社会で、国内の外国人を社会の端に追いやり、地理的にもアジアの片隅に過ぎない。

閉じた日本が最悪のアジア植民地支配と侵略戦争に乗り出し、戦後もその責任を放棄する事で異常な経済成長だけ行う。その結果、無意味なモノと情報だけは溢れ返る事で何も見えなくなっている。運動特に街頭直接行動の歴史が断絶しており、自信を失い遠慮と自主規制と他者不信でがんじがらめになっている

私自身もその小さな箱庭の中であがき続けてきた事を今回のパリで痛感し、当初ギャップに苦しんだ。だがⅭOP21の特に最後の闘いで、根本的に歴史と地理が違う事がわかった。だから日本でも「この世界は変えられる」という意識で、地球規模の視野で取り組み、諸国と日本を往復しながら闘えばいいのだ

日本の世界に対する責任は2つ。侵略戦争の責任を全て認め、謝罪し、東アジア平和の最大の脅威であることをやめる事。世界中から核と原発をなくすために、福島原発事故の被害を全て世界に明らかにする事だ。反核世界社会フォーラム開催はそのためだ

そして全ての課題は地球規模であり、国家と資本主義を無くせるかどうかにかかっている。権力者と資本家は自由に国境を越えながら世界を滅ぼそうとしている。私達こそ地球のあらゆる場所から超える視野と行動を創っていこう。来春の反核WSFを共に!