「細川支持」の内容と手法は、社会運動をとことん解体させる許されざるもの(園良太)

都知事選が話題になっているので、自分の意見を送っておきます。「誰々支持」ではなく、運動の原則から考えるものです。細川支持の内容と手法は、皆さんが/私達が取り組む社会運動の最終的解体を生みます。1930年代の大政翼賛会を生んだ「バスに乗り遅れるな」の集団転向と同じです。許されるものではないでしょう。その関係者には真摯な反省と撤回を求めます。またみなさんも「空気」「運動内ポジショニング」を気にせずそれぞれの現場で声を上げて下さい。それがファシズムを防ぎます。

★「都知事選により浮き彫りになったもの」トゥギャッターhttp://togetter.com/li/619475

許されないのは                                      
1:「脱原発」の中身ゼロで、福島被害現状や原発労働や輸出問題を無視               
2:新自由主義や戦争問題の無視                                
3:団体代表者が細川支持で団体名を引き回す非民主的手法

1:荒野のような無原則状況

選挙は勝利が求められるから、理念と水平性を追求する社会運動とは論理が違う。だから都知事選で細川=「勝ち馬に見えるもの」に流れ込む動きが近い所からも出てきてしまう。代議制は問題多く、論理も違うのだから運動は選挙に臨む時に慎重さが求めれ、それが最近欠けてると思う。その上で呆れるのは、

細川と小泉政権の悪事を知る筈の社会運動が細川を支持する事だ。世界屈指の経済格差・弱者殺し都市の東京をどうするの?五輪反対は?(これは宇都宮氏も同じ)「脱原発」って何?被曝労働者は?地方への押しつけは?輸出問題は?被曝被害と避難は?私達は運動の無内容化にNOを!
一点修正。東京が「世界屈指の格差」は違う。露骨な富裕街とスラムの両立する所とは違い、ユニクロや百均やマックが氾濫するから、貧しくても消費物はまだある。だがそれも中国の労働者搾取の産物だし、野宿者排除や自殺に追い込まれる人の多さ=「貧困隠しと見殺し」は世界一では

細川―小泉支持を誰がどう言い訳しようと、何よりも突きつけられねばらないのは「小泉時代に米英日の戦争で殺されたアフガン・イラクの何十万人の前でそれを言ってみろ」という事。「他者を犠牲にして自分達の命だけ守る」は人として許されない。当然過ぎる事言わさないでくれ。目を覚ませ

そして原則を再確認すべき。どれほど東京各地でヘイトスピーチや無償化排除が広がっても、「東京」入管が移民・難民を迫害しようと、在日外国人・在日朝鮮人には選挙権がない。どれほど渋谷区や江東区が野宿者排除しようと、「住所がない」で投票できない。こんな代議制はいらない


2:勝ち馬主義と非民主的手法はダメ

細川・小泉連合の狙いは「何度目かの第2自民党」という分析が一番納得。日本の財界は、冷戦崩壊後に自民党政権に一定の限界が出る度に、保守二大政党を目指し細川の新党さきがけ、小沢の新進党民主党を出現させてきた。左派への支持を防いだ。今回も新エネ利権を拡大し安倍への不満を吸収するためだ

「知識人・文化人」「運動の代表格」は、「第2自民党」出現の度に「一本釣り」でちょうちん持ちをさせられてきた。都知事選でまた繰り返されてる。まず率直に、細川当時小学生だった僕の、倍近くや倍以上生きてて当時一線で闘ってた人間が騙されてるんじゃねえよ。情けなさすぎる

社会運動を崩壊させぬため書く。細川支持を決めた「脱原発知事をを実現する会」リストhttp://t.co/wgqmpxwlRa 知人が何人もいて経緯が想像できる。代表者だけで電話連絡し合い、ミニ会合を重ねて決めてしまう。「皆で会議」といった民主主義」がないのだ

たんぽぽ舎や経産省テントが細川支持の訳が無い。仲間内で意見が割れてる事を、団体代表者が団体の肩書き使って支持するのは絶対ダメ。民主主義の基本。そして「はぁ?私は支持してない。辞めます」「これがあの団体の総意?もう付き合えない」となり分裂しまくる。猛省し撤回のみ。

だから細川支持の賛同者も、団体ではなく団体代表者や文化人の「一本釣り」で決まり続けた訳だ。これはね、権力者の論理や欲望が運動側にも入り込んで増殖するって事なんですよ。今までその団体と共に頑張ってきた一人ひとりへの裏切りだよ。一本釣り主義をやめて平場で決めなさい


3:民衆の社会運動を信じること!

これは3.11以降、福島が封じ込められて反原発運動をシングルイシュー化してしまう中で、他の問題が何も見えなくなった事の帰結だ。「第2自民党」の歴史も、新自由主義の問題も、「脱原発」の中身や福島も、全部忘れたからだ。民衆運動の中に民主主義と議論を取り戻すしか未来はない

だから都知事選「一本化」騒動で最も被害を受けているのは、先月までの秘密法反対の民衆運動の熱気だ。支配層もそうした運動高揚後の分断戦略は常にやる。都知事選で権力者頼りに浮き足立つのは、民衆運動と参加者一人ひとりの可能性を根底で信じれてないからだ。信じてそれで闘え。誰もが対等な民衆の一員だ

闘いはここにある。国会開会日に大行動1月24日8時半〜秘密法廃止へ!戦争阻止へ!座り込み@衆院第2前http://t.co/DmrBMFIreN 12時半〜14時「秘密保護法」廃止!国会大包囲@参院会館前集合 http://t.co/Jd0PXfIga4

24日17時半〜21時『特定秘密保護法廃止せよ!自由の無い国絶対反対!永田町大集会』衆院第二前(火炎瓶テツと仲間たち 21時〜日-トルコ・日印原子力協定の国会上程反対!原発輸出反対!首相官邸前アクション(東電前アクション)http://t.co/wyZIW2NE9I

名護市長選と都知事選がなぜこうも違うか。東京は人口と無党派層が余りに多く、皆浮遊する個人。それを細川支持の反原発運動が「同じ民衆」として信じれてないから。知名度で引き寄せる「顔のない大衆」としか見れない。運動が広告代理店化したら終わり。対等な民衆の国会闘争へ!

それは沖縄と名護が「日本」から暴力を受け続けてきた側だから民衆の怒りが結果に出たのであり、東京は「日本」側の中心にいるから運動も民衆も右翼や知名度に流される程度の性根しかないという違いが根本にある。民衆の闘いからしか世界は変えられないし、沖縄への加害をやめよう