【名護市長選】知人の現地のフォトグラファー・山本英夫さんの闘争日記を転載します。

<1月18日>

皆様

名護市長選もあと1日を残すところとなりました。今日はめっきりスエマツ候補の表立った動きが減っているようです。街宣車等の音が余り聞こえてきません。一方で、企業周りや、戸別訪問をやって、一人ひとりを潰しているのだろう。彼らの選挙事務所のひとつは入り口にブルーシートを全面に張り、外から中が見えないようにしています。怪しいのです。他方、本日小渕優子衆議院議員が応援に入ったと報道されています。
私は原稿(既報)を書き上げた後、稲嶺ススムと共に歩む会の東江(あがりえ)交差点(サンエー前)での朝立ちから撮影に入りました(〜8時30分)。この通りからススム会の事務所に行く途中、スエマツ派の看板(「新リーダー誕生 あなたの一票で名護が動きだす」 昨日の記載は不正確でしたのでこのように訂正します)が稲嶺派の看板の上に完全に重なる形で被せた箇所を複数発見。撮影。明らかに選挙妨害です。看板の多さも尋常じゃない(赤旗紙によれば、宮里地区でも同様な箇所があった)。
その後、9時30分〜11時まで、いよいよ私も「ススム」カラーの上着を着て、3人で自転車隊を編成し、市街周辺を回りました。外に出ている人に挨拶をかけながら「ススム」を印象付けていきます。はっきりと手を振って呼応してくれる人、笑顔で応じてくれる人もいれば、社交辞令で返してくれる人など様々です。
 午後は辺野古テントでの座り込みに参加。天気がよくなり、ここぞとばかり辺野古の浜から観た辺野古の海を撮影しました。この海を観ていたら、ここを潰すなどありえないと思わないのが、不思議です。金に欲の皮が突っ張っている人間は、おぞましいものです。
16日の石破の「名護市振興基金 500億円」構想は、口からデマかせ程度のもののようで、予算の裏づけもないことも明らかになりました。明白な利益誘導であり、公職選挙法違反です。

夕方に名護市街地に戻りました。今日は17時に名護十字路で街頭演説会。ススム会は道じゅねー(練り歩き)をしながら、会場に向かいます。私は一足先に十字路へ。すると誰かが「島尻安伊子がいる」と教えてくれました。どれどれと自分が走る(車じゃありません)速度を落としながら良く観ると「自民党」と書いてある軽自動車の助手席に座っている。カメラを向けると笑顔に。さすがプロです。ただの移動のようです。どこに向かうのか?

稲嶺進候補は歩いて名護十字路に登場。ススムコールの中、進みます。歩きながら、笑顔で握手。大勢の人たちが続きます。名護十字路に戻り街頭演説会が始まります。比嘉祐一市議会議長がご挨拶の後、本人の演説が始まりました。実績を示しながら、名護をつくるのは名護市民ですと呼びかけます。基地問題にふれ、中央に屈することなく、名護の心を示しましょうと。その中でも沖縄戦にふれ、基地を造れば、戦争になりかねないとも強調されました。安倍政権を意識しているのです。名護市民ががんばろうと。拍手に包まれます。この場に集まったのは約450人でした。
この場にも山本太郎参議院議員は来ていました。18日までいるそうです。最後まで共にがんばってくれるようです。

最後にスエマツ文信候補のチラシを紹介します。「スエマツ文信で経済と雇用が拡大 私たち名護市民は、現実的な選択をしましょう!」とあります。彼等は再編交付金約261億円と石破基金500億で、つまり基地を造って住民サービスの使用料等を大幅に軽減すると言うのです。しかし彼等は不都合な真実に目を塞ぎます。基地・兵隊による事件・事故の増大、日常的に飛び交うオスプレイ、騒音、壊したら二度と取り戻せない生物達や海の環境。これが「現実的な選択」なのですか? 基地は人殺しの拠点です。演習もそのために行うのです。
彼等は都市型リゾートを造るといいますが、その上をもオスプレイやヘリ群が飛び交うだろうことを考えていません。市役所の市街地への移転で防災拠点をといいますが、どちらも標高はほぼ同じ。ただ大きな建物を立て儲けたいだけでしょう。彼は建築設計技師であり、建築業界に顔の効く人間です。こういう男が名護の長になれば、立派な建物は建つのかもしれませんが、廃墟になりかねないという恐ろしさをも予想しないわけにいきません。彼らの後ろ盾は安倍政権ですから。

今、地道でも市民が主体になる政治選択をしなければ、取り返しのつかないことになりかねないのです。金に私達の心と命を任せるわけにはいきません。未来の子どもたちのためにも。

これから選挙戦最終日です。

本文は以上です。
拡散等よろしくお願いします。


<1月17日>

皆様

名護市長選にご注目いただきありがとうございます。私とすれば、名護市長選に関心をおもちいただきたいと書き始めたメールですが、これは名護市長選のみならず、沖縄の基地問題が「日本」の暮らしにも深く関わっており、同時に各地の住民自治に参照できるもだと、改めて感じています。
市長選に勝ち、その先に如何なる沖縄を、「日本」を展望できるのかを、注意深く考えてまいりたいと思います。

この市長選は常識的に考えれば、稲嶺が先行していますし、かなりスエマツを引き離しています。しかし全く油断できない状態にあることをもお伝えしなくてはなりません。なぜかといえば国家権力の総体を賭けた闘いでスエマツ陣営は臨んできているからです。あと2日で大逆転される可能性すらありえます。最後の最後までご注目ください。

【16日の現場から】
16日朝は前日の報告を書くのに時間をとられてしまい、9時過ぎの出発となった。今日は石破茂自民党幹事長が名護入りするので、市街地で彼をゲットしたかったが、私は果たせなかった。ただ道路にはスエマツ派がだした「新りーダーの誕生で 名護がうごきだす」の大型ポスター(看板)がやたらと増えている。その一部は稲嶺派の「あなたの1票を 屈しない現市長へ」のポスター(看板)が剥がされて貼られたようだ。明確な選挙妨害である。

暫く市街地をうろうろしたが、諦めて辺野古に移動した。辺野古テント着12時。
昨日話しを聞いていた、山本太郎参議院議員糸数慶子参議院議員が稲嶺選対辺野古支部にもまもなく到着するという。同事務所に移動し、しばし待つ。事務所前は人だかりが出来、お二人をお待ちする。13時30分、お二人登場。
元気な姿で登場した糸数慶子さんは、先の参院選をふりかえりながら、基地ノーの民意をいただいた、今回も決して諦めないで頑張ろうとのお話し。山本太郎さんは、自分は沖縄の基地問題を全く知らなかったが、あの「3.11」後、福島を知り、沖縄を知ることになった。何も知らなかったことを悔いている。ここに基地が出来れば生活が破壊され、戦争の危険が増すと力強く発言。ここに集まったおじいやおばあも太郎君をしっているらしく、彼の発言にも手が起き起こっていた。
従来辺野古は推進派の拠点。それがこうして選対事務所が出来、地元の人だけでも10数人が集まっていることがじたいが変化の兆しだ。
この後お二人と地元の後援会の人たちは短時間ながら交流。その後辺野古のテントにも来てくださり、タイムスケジュールが押している中で、簡単に挨拶されて行かれました(夕方には青山まえで稲嶺候補とドッキングした演説会をもてたようです)。

17時から18時まで、キャンプシュワブ前で、18名で、沿道を通る車に手振り行動をして、名護市街にある稲嶺ススムと共に歩む会に戻りました。今日も大勢が集まってくれていました。ご苦労様でした。

【油断できないぞ】

ところで油断できませんと書いたのは、相手陣営と影の動きが露骨になってきたからです。
?石破がきて(基地を容認すれば)「500億円」出すよとのお金攻勢。スエマツさんは再編交付金の失われた「261億円を活用して」と言っていますが、この500億はこれに+するもの。だが石破の演説にしかない金額です。こうしたお金に乗れば「夢と希望のある名護市」になるらしい。確かに彼等は儲かるのでしょうが。
?誹謗中傷攻撃。2種類のビラが自宅にも入ってました。1面がゴミ問題(公約違反)と裏側が「稲嶺不況」(カラー印刷)。ゴミ問題は16種類の分別にしたのは島袋市政の産物。お仲間の責任をしらっと他人の責任にするずうずうしさ。稲嶺不況にいたっては、常套手段の難癖。もう一枚は「許すな!! 名護市役所コネ採用」のビラ。「不正、利権市長は即刻変えるべき」などと。むろんこの2枚には発行責任団体名や連絡先は一字もありません。
 他方、派手派手な「OKINAWA HEADLINE」紙も投函されていました。これはA3版8頁の刷りものですが、1・2面が小池百合子のインタビュー。日の丸をバックにした彼女が20年東京オリンピックを語り、凄く儲かるよと大風呂敷を説いています。2面では「負担の軽減と抑止力の確保のバランスが問題」と語りながら、名護市長選の争点は「市民の生活をいかに豊かに、そして安心安全なものにするか」で「名護の普通の市民の皆さんの本当のきもち」が大切などと語ります。優しそうに語りますが、争点ずらしであり、普通の名護市民をなめてます。
この?ヘッドラインは東京の渋谷にあるフリーペーパーの発行会社。社長は一木広治というらしいが、主な株主は井上ビジネスコンサルタンツ、産経新聞電通など。さもありなんの会社です(同社のブログから)。このペーパーの7面には「沖縄美人」と名護の人が紹介されており、また食べもの屋さんの紹介も名護の店。名護市長選のために制作したようです。

あと2日、大勢の人々ががんばっています。私もがんばります。

山本英夫

拡散等よろしくお願いいたします。

<1月16日>

皆様

13時間労働の末に書くのは、さすがに厳しく、翌朝になってしまいました。申しわけありません。

1月15日午前中、私達(原告194名)は那覇地裁で知事の「埋立承認取り消し」と「効力の執行停止」を求める訴訟を提訴しました。地裁前での集会後、書類を地裁民事部に提出。受理されましたが、裁判所が原告的確を巡り、実質審理に入れるか否かが当面の焦点です。集会には名護市長選の最中、また大山や野嵩(いずれも普天間基地ゲート前での行動)での抗議活動をやりくりして、約50名が参加し、地元名護市からは安次冨浩団長など4名が参加。この原告194名は第1次提訴であり、今後も原告を沖縄県内で拡大していく方針です。

昼過ぎに私達は辺野古テント村に戻りました。今日も県内外から現地を訪れる人が絶えませんでした。
私は夕方から稲嶺ススムと共に歩む市民の会事務所に顔を出しました。多くの人たちが選挙運動に駆けつけており、ネットで知ったと思われる私が全然知らない人も多く参加されていました。17時から辺野古選対事務所が行っているキャンプショワブ前(国道329号)での宣伝活動に出かける人、また屋部公民館で行われる屋部地区大演説会に参加する人などに分かれて行動しました。

屋部(本部町に隣接。スエマツ候補の拠点地区)での大演説会は、参加者がどんどん増え、私が会場を撮影のために走りにくいほど、会場一杯になりました。288名と集会の最後に報告がありました。
集会の詳細は省略しますが、どなたの発言にも、辺野古新基地建設反対であり、沖縄戦への思いを想起すれば、戦争の元凶になる基地をつくらせないとの思いが際立っていました。また聴衆の皆さんも、発言に耳をそばだて、ひとつひとつ納得され、肯き、拍手され、指笛が鳴り、呼応されていました。

19時頃登壇(壇上にあらず)した稲嶺進候補は力むこともなく、淡々としています。実績への自信と芯の通った確信に、人への労りがあり、心に染みていく話しっぷりです。

防衛省に)交付金を剥がされたが、それに固執せず、「なければならない」ことを優先させ、「あったらいいもの」は後回しにしながらやってきた。積立金は2倍以上になった(09年までの島袋市政と比べて)。小学校全校のトイレの改修(和式から洋式へ)、クーラーの設置、耐震化工事も8年計画を3年で進めている。これは75%の補助金がでるが残りの自己負担のために多くの自治体がしり込みしがちななかで、積立金からまわして行っている。入札制度も改善し、市内の中小の会社も手をあげられるように改革し、公正・公平に改革してきた。
基地は負の遺産になる。子ども達に責任をとれない。名護市が動けばまだ建設を止められる。名護は、金で心を売る、金をせびるようなところとは、違うよと言いたい。
この選挙で、日米政府、県知事に突きつけうるほどの圧勝をしましょう。

19時40分にご本人は参加者との握手を交わしながら、退場しました。出入り口で待ち受けていた東京から駆けつけた木内みどりさん(元?タレント)が都知事選に立候補する宇都宮けんじさんから託された「必勝」の色紙と激励文を稲嶺進さんに渡す一幕もありました。

1月16日から「3日攻防」が始まります。最後の激戦にどちらが勝ち抜くか、最後の勝負時になりました。スエマツ陣営は今日東京から石破自民党幹事長と小渕優子議員を投入するそうです。稲嶺進さんには、参議院議員山本太郎さんが駆けつけるようです。
スエマツ陣営は街頭よりも直接企業を固めているようです。期日前投票にも動員計画があるようです。不正選挙を許さないとりくみも重要です。

以上。
転送、ブログ、ツィッター等、お願い致します。なおその旨お知らせください。

<1月14日>

親愛なる皆様
未知なる皆様

 年末年始を挟む2週間余りの疲れがでてしまい、グロッキー状態になりました。このため昨日は在宅での仕事に没頭せざるをえませんでした。
前回のメールは皆様の手によって、転送されたり、ブログやフェイスブックに載せていただきました。ありがとうございました。

 先ず冒頭に、前回の文(1月12日発)を一部訂正します。参議院議員の「島尻愛子」と記しましたが、「島尻安伊子」の間違いでした。訂正をお願い致します。 

 選挙戦が12日から始まり、13日、14日と3日目を迎えました。両候補共に熱戦を繰り返しているようで、本日の紙面は「稲嶺氏先行 追う末松氏」(沖縄タイムス)、「稲嶺氏先行、末松氏追う」(琉球新報)とあるように、ほぼ同様な見方がされています。私もこうした傾向だと推測しています。

 今回の名護市長選は争点が鮮明化しています。辺野古への基地建設に反対するか、推進するかです。従来のようにオブラートに包み込んで、曖昧にして、ごまかす余地がなくなったのです。安倍政権(日本政府・中央)が何が何でも辺野古に基地を造るのだと、自民党沖縄県連に「公約」を破棄させ、仲井眞知事に埋立申請を「承認」させたからです。
 この4年間、稲嶺進市長は、公約通り「海にも陸にも基地を造らせない」を貫いてきました。いよいよ市の権限を行使してでも止めるのだとしています。また再編交付金を打ち切られても、市の財政は逼迫するどころか、増額させてきました。健全財政に修復したのです。前市政の09年度の最終予算額は287億円、稲嶺市政の10年度315億円、11年度336億円、12年度334億円(各年度共に最終予算額)、13年度350億円(9月現在)と増加させてきました。建設事業費すら69億(09年度)から84億円(13年度9月現在)と増やしてきたのです。国の軍事費に依存しなくてもやっていけることを立証したのです。
 そこで末松陣営がやっていることは、「夢と希望のある名護市をつくる」などの甘言です。そして「安倍首相 スエマツビジョンの実現を約束」などの中央依存の強化です。各施策は大盤振舞えですが、すべてが辺野古に基地を造ることを代償にするものです。「こっちの水は甘いぞ」と市民をたぶらかし、利益誘導するものです。大もうけするのは末松陣営に取り巻く一部の土建屋などの企業幹部だけでしょう。
 末松陣営が謳う「農林水産業」の中に、「水産業と観光産業の連携」があります。しかし基地と観光は共存できるのでしょうか? また「畜産優良品種の導入補助」とありますが、オスプレイが夜間に飛ぶ宜野座村松田区では、鶏の卵の殻がぶよぶよになってしまうなどの被害が既にでているのです。「那覇ー名護間の鉄道整備」ももとより重要な政策ですが、途中に居座る基地・演習場の数々を撤去させないで、安全が保てるのか、まずそこから検討すべきです。
 スエマツビジョンはご立派(?)だとしても、その前提が基地の維持・強化である以上、住民の安全は無視され続けるのです。

 安倍政権はこの勝敗をとても心配しているようです。石破茂自民党幹事長は、12日「基地の場所は政府が決めるものだ」と述べたそうです。脅して、民意を押しつぶそう、諦めさせようとの魂胆でしょうが、こうした国や自民党中央を信頼しろよと言うほうが、ありえません。
 ここにも、金と力で逆転勝利を狙う末松陣営の本音(衣の下の鎧)が見えてきました。
 
 もしもし末松さん、基地に依存して栄えた地域はあったのでしょうか、国に依存して栄えた地域はあったのでしょうか? 教えてくださいな。沖縄は日本軍が居たから、基地があったから大惨劇に見舞われたのですよね。沖縄は占領されたから、27年間も米軍の施政権下にあり、未だに基地の島なのですよね?それを認め推進してきたのが日本政府でしたよね。だからここに基地を造るのですよね。安倍政権はここにも自衛隊を配備し、対中国の陣地を築こうとしているのです。どこが安全? 何が「危険性の除去」? 末松さんは儲けのためならば、自然の命はもとより、住民の命など、無視するんですよね(ごまかすの?)。

 今度の選挙は名護市の選挙でありながら、沖縄の、日本の命運がかかっており、アジアの命運にも関わります。私達の生き方がかかった選挙です。それはもとより、選挙に止まりません。だからこそこんな重たい選挙を名護市民にだけ被せないでください。皆さんも担ってください。名護市長選に関心をもつことから、ご自分の足元を省みてください。

 今日も辺野古ではキャンプシュワブの演習場から射撃音が聞こえていました。浜では水陸両用装甲車が駆け巡り、水しぶきをあげていました。街宣右翼の車も来ました。他方で沖縄から、県外から多くの人々が訪れ、この現場を見て、ここを基地にしてはいかんと思って帰られました。
 名護市街にあるススム会(勝手連)にも人が集い、朝から夜まで、様々な取り組みをしています。全力を挙げてがんばっています。
 
 名護の各地からのリポートは明日以降お届けします。お楽しみに。(2014年1月14日)

<1月12日>

親愛なる皆様

2014年1月12日、名護市長選の火蓋が切って落とされました。
先ず、本日8時から城(ぐすく)十字路の末松陣営が出発式を行いました。約400名とも聞いていますが、取材した尾崎孝史君(カメラマン)によれば、熱気溢れる出発式だったそうです。自民党から浜口靖一自民党幹事長代理、島尻愛子参院議員が出席したようです。また別の場所で、私は宜野湾市長の佐喜眞敦の演説を聞きました。
 かたや稲嶺進候補は、8時30分から北部病院隣にある選対本部前の空き地にて第一声をあげました。会場は溢れんばかりの人垣となり、700名を超える方々が参集されました。
 開会の冒頭は、比嘉祐一選対本部長(名護市議・議長)がうちなんちゅうのアイデンティティを示そうと力強く呼びかけました。次に関田東支部支部長が名護の民意を突きつけようと決意を表明しました。次は国会議員の照屋寛徳さん、赤嶺政賢さん、糸数慶子さん、玉城デニーさんが簡潔に何故この市長選が重大なのかを語り、支持を訴えかけました。そして登壇した候補者本人稲嶺進さんが語ります。
 稲嶺さんは、交付金を打ち切られても職員と共に打開してきたし、これまでの実績を踏まえ、これからも公約を守りますと自信に満ちた発言を重ねました。以下発言要旨

19日は、名護市、沖縄県の未来を決する闘いです。同時に日本の民主主義を問う一大決戦となります。4年前、多くの市民のご支持で、海にも陸にも基地を造らせないと市長になり、これがオール沖縄の心になりました。すべては子ども達のために、すべては名護市の未来のために、この2つに、くらし・産業振興も込められています。市民・県民の誇りを示す、ウチナーアイデンティティを日米政府に突きつけていく闘いです。この1週間で、負の遺産を残すのか、キッパリ(新基地)ノーを突きつけるかの闘いです。がんばりましょう。

 ここに稲嶺候補と稲嶺陣営の総意が込められています。何としても勝たなければ、名護の未来が失われる、沖縄の誇りが失墜するとの危機感に満ちたものであり、明確なメッセージだと思います。

 私は、この後辺野古テントに向かい、夕方までテントにて、多数の訪問者を迎えました。この選挙の助っ人でこられた方、知事の「承認」に憤り、現地に来られた県内の方など、ひっきりなしでした。私も基地建設の現況を語り、安倍政権の暴走を論じ、自治の考えに立てば、名護・沖縄と各地はもっと身近で、参照できるものであり、この市長選の意義は限りなく大きいなどと話しをさせていただきました。
 しかしこの朝、辺野古のフェンスに貼ってあった横断幕109枚が剥ぎ取られていました。所狭しと飾られた、各地から送られた創意工夫された横断幕、またテントで作成した横断幕のすべてがなくなっていたのです。どうも状況証拠からすると米兵の仕業のようです。
 これに対して、早速10時過ぎに辺野古テント村(私も手伝いながら)は、早速14枚を貼り出しました。この時も、金武、うるま市から来られたお二人とお話ししましたが、彼等は異句同音に知事の「承認」は許しがたいと怒っていらっしゃいました。

 さて市長選に話しを戻します。今回の勝敗がどうなるかは全く予断を許しません。先ず、まだまだ関心が薄いのが現状です。また長年の闘いの疲れもあります。そして何よりも相手陣営の利益誘導です。基地を造れば再編交付金が入るぞ、それで市民の負担を軽減するとの毒まんじゅうです。実は基地を造れば、軍事訓練が激化し(今でもキャンプショワブがあり、様々な訓練が行われていますが)、自然破壊はおろか、生活を直撃してきます。対中戦争の前進基地にすらなりかねない極めて危険な元凶を自ら招き入れることになります。また再編交付金で潤わなかったことは、名護市の稲嶺市長以前の市政の実態が如実に示してきたことです。以前の交付金で作られた国立名護工業高等専門学校が米軍のターゲットにされるような演習が行われていることを見ても、お金で基地を認めることの愚かしさが分かります。
 
 最後の最後まで気を抜くことなく必勝に向けてがんばる、これしかありません。自治の心を、命どぅ宝の心を抱き、過去から学び、先を見据えた選択をして、一人ひとりが当事者として歩みだす、これができれば、負けることはありません。
 皆様の関心とご声援を切にお願いいたします。また、皆様にとっても、自治の心と命どぅ宝の心は、等しく重要なはずです。共に歩まれることを願います。

 追記。今日もマスコミの方々が沢山訪れています。名護に辺野古に。彼らがどのような記事にされているか、是非関心をもって見つめてください。皆様からの疑問・質問受け付けます。

山本英夫(フォトグラファー)


以上の転載を歓迎します。その旨連絡戴ければありがたいです。

なお昨日の県議会決議の件に関する返信を9人の方からいただきました。ありがとうございました。力付けられます。